「他人事じゃない」という表現は、日本語ならではの含みを持つ言い回しである。単に「自分にも関係がある」という意味だけでなく、「同じことが自分にも起こりうる」「無関心ではいられない」という共感や危機感まで含んでいるのが特徴である。英語にする場合、このニュアンスをどう切り取るかがポイントになる。
まず基本として使えるのは not someone else’s problem や it concerns me too である。特に concern は中学校レベルでも登場する重要語で、英語では “to be important to someone or to affect someone”(誰かにとって重要である、または影響を与える)という意味で、「自分にも関係がある」というニュアンスを表すことができる。
さらに自然な表現としてよく使われるのが it’s not just their problem(それは彼らだけの問題ではない)である。これは「他人事じゃない」をかなりストレートに表現した言い方である。また、状況によっては it could happen to me(自分にも起こりうる)も非常にしっくりくる。
この表現を整理すると、上位語としては thing / problem(物事・問題) や important(重要) といった概念があり、その中で「自分に関係がある」というカテゴリーがある。そしてその具体例として「他人事じゃない」があり、さらに下位語としてニュアンスごとに分かれていく。例えば concern(関係・影響がある)、relevant(関連している)、personal(自分に関わる) などである。
使い方も見てみよう。たとえば “This issue concerns all of us.”(この問題は他人事じゃない)は非常に自然でフォーマルにも使える表現である。また “It’s not just their problem.”(それは他人事じゃない)や “I can’t see it as someone else’s problem.”(他人事とは思えない)といった言い方も実用的である。コロケーションとしては concern someone, a relevant issue, a personal matter などがある。
さらに関連する表現として、“hit close to home” も非常に面白いイディオムである。これは「身近に感じる」「他人事ではないと感じる」という意味で、感情的な共感を含んだニュアンスをうまく表現できる。たとえば “That story really hit close to home.”(その話は他人事じゃなかった)のように使える。
似た意味の単語の違いも整理しておこう。concern は「関係がある」という客観的なニュアンスである。relevant は「関連性がある」というやや論理的な表現である。personal は「自分に直接関わる」という主観的なニュアンスが強い。hit close to home は感情的な共感を強く表す。
最後に単語の関係を整理するとこうなる。
thing / problem(物事・問題)
└ important / related(重要・関連)
└ 他人事じゃない
├ concern(関係がある)
├ relevant(関連している)
└ hit close to home(身近に感じる)
このように整理すると、「他人事じゃない」という言葉が、単なる事実の認識だけでなく、共感や危機感を含んだ複雑な感情であることが見えてくる。
ちなみに concern や relevant は英検・TOEICでも頻出であり、特に読解問題やビジネス文脈では欠かせない重要語である。hit close to home のようなイディオムも、リスニングや会話で差をつけるポイントになる。
「他人事じゃない」と感じる瞬間は、自分と世界とのつながりを強く意識する瞬間でもある。その感覚を英語で表現できるようになると、より深いコミュニケーションが可能になるのである。
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