【語源100話(66)】火の神に由来するvolcano(火山)

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Tonga(トンガ)で海底火山が噴火した。被害の詳細が分からず、心配である。東京オリンピックをやったばかりだったから、トンガの選手の顔も浮かぶ。目を離せないニュースだ。

ニュースには頻繁にVolcanoという言葉が出てくる。日本語風に読むと、「ボルケーノ」だが、実際の発音は「ヴァオケイノウ」に近い。火山という意味だ。噴火するという動詞はerupt(イプト)、噴火という名詞はeruption(イプション)となる。

volcanoの語源はローマ神話に出てくる火の神「Vulcan(ヴァルカン)」。鍛冶の神でもある。古代ローマ人がシチリア島のエトナ山の噴火を見て、火の神ヴァルカンを創造したのだと言われている。ローマ名ではウルカヌス、ギリシア神話ではヘパイストスとなる。

妻は女神ヴィーナス(アフロディーテ)。恐妻家だったが、鍛冶の神なので黙々とする「ものづくり」が得意だった。パンドラの箱で有名な人類最初の女性パンドラを作り出したのもこのVulcanであった。

トンガで噴火したのは海面の下にあった海底火山。各社のニュースでは、an underwater volcano(海底火山)と表記されている。nprは、An underwater volcano erupted Saturday near Tonga, sending tsunamis across the pacific basin. としている。今回のニュースを一言で表現していて、覚えておいて損はない好例文であろう。

日本にも富士山や阿蘇山などの陸上火山や、伊東沖の海底火山などがあり、いつ噴火してもおかしくないとされる。トンガには国際的な救援が向かっている(International help heads to Tonga after Saturday’s massive underwater volcano eruption)という。海外の人々との会話にvolcanoという言葉が出てくる頻度が増えると思われる。volcano, erupt, eruptionはすぐに口から出るように覚えておきたい。

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