【イディオム100話(2)】Voice in the Wilderness
Voice in the Wilderness(ヴォイス・イン・ザ・ウィルダネス、発音はどちらかというとヴォイスィンザ・ウィォダネス)は、直訳すると「荒野の声」。「誰も言わない(取り合わない)ようなことを訴えている人」を指す。必死に何かを訴えても、まるで荒野で一人叫んでいるように、誰も聞いていない状態にある人のことをいう。 意味を強調して、a lone voice in the Wildernessとか、a voice crying in the wildernessともいう。聖書のマタイ伝から引用された格調高いイディオムである。
偉人の多くはvoice in the wildernessを貫いている(persevere)ことが多い。学校でもvoice in the wildernessになることは素晴らしいことだと習うけども、実際には協調性が求められ、先生たちは付和雷同(follow the crowd)する生徒のほうが扱いやすいと感じているのではないかとすら疑ってしまう。付和雷同とは自分の考えがなく容易に他人に同調してしまうことだが、英語ではfollow the crowdのほかに、behave like a lot of sheep(多くのヒツジと同じように振る舞う)という言い方もある。どちらも覚えやすいので、voice in the wildernessとセットを覚えておくといい。
voice in the wildernessは、ネット上にある例文がかなり参考になる。面接や会話で使うと、語彙力の評価は高まりそうだ。
In class, I always feel like a lone voice in the wilderness because of my liberal opinions.
(教室では、私は自分のリベラルな意見によって、いつも「荒野の孤独な声」であると感じている。)
Before the recent “Me too” movement, I was a lone voice crying in the wilderness about sexual harassment in the workplace.
(最近の「Me too」ブーム以前は、私は職場のセクハラについて「荒野の孤独な声」だった。)
Sometimes I feel like a lone voice crying in the wilderness about getting better working conditions.
(より良い職場環境について訴えている私は、時に「荒野の声」であると感じることがある。)
I got tired of being a lone voice in the wilderness and finally accepted I would have to get another job because no one was going to listen to me.
(「荒野の声」でいることに疲れ、他の仕事を探すことをとうとう受け入れた。誰も私の話を聞こうとしなかったから。)
It takes bravery to be a voice in the wilderness.
(「荒野の声」でいることは勇気が必要だ。)
I admire you for persevering as a lone voice crying in the wilderness about voter registration rights.
(あなたが選挙人登録請求権について「荒野の声」として、屈することなく活動を続けていることに敬服します。)