【語源100話(20)】足の先をvamp up
vamp upは「即興で演奏する」という意味だが、vampは「靴先の当て革」のこと。
つまり、靴の先が削れてしまった時、靴の先に当て革をつける→急場を繕う→即興で演奏する、という意味になった。
ストッキングの指先は少し厚くなっているが、それもvampという。ではなぜvampが靴先の当て革やストッキングの指先の厚い部分という意味になったのか。これは意外にも機械的だ。vampはvamとpに分けられる。
vampにはavant(前)とped(足)という二つの言葉が入っているのである。単純に足の先、という意味であることが分かる。ここから即興という意味を帯びてくるのだから、言葉は面白い。
ちなみに、Vampire(ヴァンパイア)、吸血鬼との関係も調べてみたが、こちらは上記のvampとは無関係のようだ。諸説あるが、北アジアや東ヨーロッパで魔術を使う人のことをウビルなどと読んだことに由来があるという説がある。