【語源100話(3)】trampとtrumpの違い

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trampの原義は「どしん、どしんと歩く」。トランプ大統領が偉そうに歩いている姿を想像すると覚えやすいかもしれない。もっとも、トランプ大統領はTrumpだから、綴りが少し違う。

trampは、stampと同源。たしかにスタンプやハンコを押すのは、どしんと足を地面に下ろすのに似ている。動物や人が一斉に逃げ出すという意味のstampede(スタンピード)という言葉もこの仲間だ。

いつでも肩を切って港に入ってくる不定期貨物船も、他の船からはまるで偉そうにどしんどしんと入港してくるように見えたのか、trampと言われるようになった。trampには売春婦の意味もあるとか。

ちなみに、いわゆるトランプ遊びの「トランプ」は和製英語で、オリジナルの意味はtrumpと綴って「切り札」「奥の手」という意味で使われる。どしん、どしんと歩くtrampではなく、トランプ大統領の綴りのほうである。to play a trump cardで、「切り札を出す」「奥の手を出す」となる。

trumpには「素晴らしい人」という意味もあるから、トランプ大統領もご満悦であろう。ただ、面白いことにtrump upというと、「でっちあげる」という意味になる。trump up a storyで、作り話をでっちあげるという意味になる。

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