【語源100話(29)】水も漏らさぬstanchとstaunch

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stanchとstaunchはuが入っているかいないかの違いで、どちらも同じような意味。語源も同じで、流れるものが止まる、という意味。基本どちらを使ってもいい(interchangeable)とされるが、stanchは動詞(止血する)、staunchは形容詞((人が)しっかりした、信用できる、防水の)で使われることが多い。発音はスターァンチという感じ。

スペルを見て真っ先に目につくのは接頭辞のsta-。これはstandで有名だが、「立つ」という意味。水や流体が”立ち止まる”と考えれば、水が止まる(防水)、止血する、よどむ、という意味が出てくる。stanch、staunchにはこうした語源がある。sta-、ste-はほかにもstop(止まる、止める)、stagnant(よどんだ、停滞した、不景気の)、station(列車が止まる駅)などの単語でも同じようなイメージがある。

st-で始まる単語は他にもたくさんあるが、面白いところでは、木の幹を意味するstemもst-から始まる。大木がしっかりと立つにはしっかりとした幹(stem)が必要だからだろう。

他にもstable(動かない)、statue(立像)、stiff(堅い)など、「しっかり立つ」といったイメージの単語が列挙できる。star(恒星)もしっかり自立して輝いているというイメージだ。strangle(首を絞める)、string(固定するためのヒモ)も仲間か。

stanchが止血するという意味になることはわかったが、では、staunchに(人が)しっかりした、信用できる、忠誠を尽くす、という意味があるのはどう考えればいいだろうか。これは、「水も漏らさぬほどしっかりしている」と考えれば覚えやすい。

彼は頼もしい友人だ、彼は信頼できる友人だ、などと言いたいときにはstaunchが役に立つ。He is a staunch friend.などと言える。

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