Jeff Bezos Blasts Himself Off-Planet, Helping to Usher In a New Era of Space Tourism

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TIME誌のウェブ版の記事「Jeff Bezos Blasts Himself Off-Planet, Helping to Usher In a New Era of Space Tourism」。Amazon創業者でブルー・オリジン(Blue Origin)のジェフ・ベゾス氏(Jeff Bezos)とヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)のリチャード・ブランソン氏(Richard Branson)が成し遂げた偉業について分かりやすく解説している。

個人的に気になっていたのは、両者の違い。記事によると、どの高さから宇宙にするかという定義(the boundary of space, the edge of space)が違うとのこと。米軍の定義では高度80km以上が宇宙になる一方、世界的なコンセンサスでは高度100kmのカーマン・ライン(カルマン・ライン、Karman Line)が境界になるという。Karmanの由来は人名で、航空力学の大家セオドア・フォン・カーマン(Theodora Von Karman)のこと。気象学ではカルマン渦(Karman Vortex)が知られる。

まとめると、

リチャード・ブランソン率いるヴァージン・ギャラクティックは2021年7月11日、6人を乗せた「スペースシップ・ツー」で高度80km(米軍基準で宇宙の入り口)に達し、約3分間の無重力体験を提供した。

ジェフ・ベゾス率いるブルー・オリジンは2021年7月20日、4人を乗せた「ニュー・シェパード」で高度107km(一般的に宇宙との境界とされる高度100kmのカーマン・ラインより上方)に達し、約4分間の無重力体験を提供した。

となる。

もっとも、記事によると、ブランソン氏はベゾス氏にライバル意識はないそうだ。

“I know nobody will believe me, but honestly there isn’t [any competition with Bezos],” Branson told NBC’s Today on July 6.

(「誰も信じないと思うけど、正直(ベゾスとの競争は)ないよ」。)

英語的に面白いと思った表現を記事から。

When he builds a rocket, he rides the rocket, strapping his own mortal hide into a seat and test-flying what he’s developed before inviting paying passengers aboard to make the same journey.

(ジェフ・ベゾスがロケットを作れば、彼はそれに乗り込む。無力な体を命がけでシートに縛り付け、顧客を乗せる前に自分で試すのだ。)

注目は、strapping his own mortal hide into a seatの部分。ここのhideという単語は、隠すという意味ではなく、皮(skin)のこと。クマや鹿の皮を広げた敷物のイメージ。体を覆う(hideする)ことから皮のことをhideという。この記事の場合は、ジェフ・ベゾスの身体をmortal hide と表現することで、宇宙旅行の実験台としては億万長者だろうが全くの無力であり、まさに命がけであることを示唆している。

余談だが、タイトルの「Jeff Bezos Blasts Himself Off-Planet, Helping to Usher In a New Era of Space Tourism」の中にあるusher(アッシャー)は動詞で「先導する」「案内する」、名詞で「先導役」「案内役」という意味。まさにこのような記事、宇宙開発などイノベーション分野の記事でしばしば目にする重要単語である。CMでおなじみのロイヤル・アッシャー・ダイヤモンドはROYAL ASSCHER DIAMONDで、綴りが違う。でも、なんとなく結婚式つながりでアッシャー=先導者、案内役と覚えておくと覚えやすい。

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