【語源100話(49)】「見返り」としてのquid pro quo(クイド・プロ・クオ)

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米国の心理学者で、「GIVE & TAKE」で知られるAdam Grant(アダム・グラント)氏のインタビュー動画(https://www.youtube.com/watch?v=abbhEW1O2ds&t=67s)を見ていたら、quid pro quoという表現が出てきた。

quid pro quo(クウィッド・プロゥ・クウォウ)は「見返り」「報償」「代償」のこと。as a quid pro quo for で、「~の見返りとして」という意味になる。

語源は、語義の通りsomething for something(何かのための何か)のラテン語である。quid もquoも、whoとかsomething(何か)という意味で、proはforに当たる。それをつなげて、quid pro quoとなる。

インタビューに出てきたのは次のセリフ。

Giver (ギバー)とTaker(テイカー)の中間に位置するmatcher(マッチャ―)の定義を聞かれたときのアダム・グラントの答えである。

The matcher is most of us professionally right in the middle of that spectrum. Matchers try to keep an even balance of give and take, quid pro quo. To friend if I were a matcher, and I did your favor, I think you owed me one back, and if you did me a favor I’d feel the sense of debt until I’ll be able to repay.

「matcher(マッチャ―)は我々の大部分がそうですが、主にgiverとtakerの中間にいて、give and take(ギブアンドテイク)、quid pro quo(見返り)のバランスを保とうとします。友人に対しては、もし私がmatcherで、あなたに何かしてあげたら、私はあなたが私に一つ借りができたと考えます。もしあなたが私に何かしてくれたら、私はあなたに貸しを作ったと感じるでしょう。お返しできるようになるまでね。」

ツイッターでquid pro quoを検索するとたくさん出てくる。

例えば、This is quid pro quo for future vote.(これは選挙のための見返りだ)。

The Israeli companies are doing business in the US to make profits for themselves, not as a quid pro quo for US military aid. (イスラエルの企業は自分たちの利益のためにアメリカでビジネスをしている。米軍の支援の見返りという訳ではない。)

quid pro quoのようなラテン語由来の言葉は、たまに少し背伸びして使ってみたくなる表現である。

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