【語源100話(61)】パネルディスカッションの「パネル」の意外な意味

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パネルディスカッション(panel discussion)という言葉をよく聞く。和製英語ではなく、れっきとした英語だが、その意味は意外に知られていない。ディスカッションはなんとなく分かる。「パネル討論」と訳されるから、「討論」なんだろうと。問題は「パネル」のほうである。パネルというと説明板みたいなものを想像してしまう。パネル討論ってどんな討論なんだろうか。説明板を基に討論するとか、そんなイメージを漠然ともっている人が結構いるのではないだろうか。

結論から言うと、「パネル」は「有識者」のこと。パネル討論とは、有識者同士が行う討論のことなのである。

panelはもともと古フランス語で四角い布切れ(a piece of cloth)のことを指した。布切れのような羊の皮で作った紙(panel)に陪審員のリストを書き込んでいたことから、陪審員のように見識を持った人のことをpanelというようになった。ちなみに説明板やいわゆる四角いパネルも布切れというもともとの意味から派生している。

panel discussionの意味をちゃんと知ったうえで新聞をチェックしてみると、確かに見出しではパネルディスカッションのことを「識者討論」と訳している。「パネルディスカッション」では11文字、「パネル討論」では5文字だが、「識者討論」なら4文字で済むので、文字数を少しでも切り詰めたい新聞にとっても識者討論という訳はありがたいかもしれない。

panelの仲間としては、pane(窓ガラス1枚、ブロック状の1区画)がある。こちらも語源は同じで四角い布切れのイメージから派生した単語である。windowpaneで1枚の窓、コンピュータソフトの個々の表示ウィンドウのことを指したりもする。

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