【語源100話(77)】内臓(organs)の語源
内臓は英語で、organ(内臓、器官)。発音は、オーグンという感じ。楽器のオルガンもあるが、関係はあるのか。実は、楽器のオルガンのほうが先というから驚きだ。楽器のオルガンの語源は、「道具」「何かをしたいときに使うもの」という意味があるそうだ。オルガンという楽器が誕生した後、人間の体内に関する研究が進み、どうも内臓というものがあり、人間にとって大切な道具としていろいろな機能を持っている、ということで内臓のことをorganと呼ぶようになった。
内臓と楽器の語源が同じだとすれば、我々の体内はまさに大音楽祭の舞台と言えるかもしれない。心臓がリズムを刻み、肺が息を吹き込み、消化器官が食べ物を消化する。さまざまな奇跡の道具が奏でるハーモニーの大音楽祭が生命とも言えるのだ。すごくロマンチックな気がする。こういうロマンに出会えるから、語源の学習はやめられない。
オルガンと内臓の関係を知った今、我々の体を見る目が変わるのではないだろうか。内臓はまるで楽器のように機能し、生命を維持するための美しいハーモニーを奏でている。これぞまさに自然界の最高のオーケストラというわけだ。