【語源100話(59)】オミクロンとオメガ
新型コロナウイルスのオミクロン株がじわじわと日本にも侵入しつつある。オミクロンはギリシアアルファベットで15番目の文字。ニューとクサイが飛ばされたので変異株としては13番目となる。
オミクロンはomicronと綴る。綴りをみれば分かるように、o-micron、つまり、小さいo(ミクロのo)という意味である。ギリシア文字のoには「オ」と短く発音するoと「オー」と長く発音するoがある。「小さい」oというのは、このoが短く発音するoであることに由来する。
では、発音が長い「大きい」oのほうはというと、ギリシア文字の最後の文字、「オメガ」となる。「大きい」という意味のmegaをoに付け、o-mega、つまりomegaと綴る。omegaは最後の文字なので、「最後の」とか「究極の」などの意味もある。
「オミクロン」と「オメガ」はきょうだいのような関係というわけだ。