【語源100話(58)】Norway(ノルウェー)の語源はやはりロマンチック
ノルウェーの語源は、そのものずばりで、「North way」というのがもともと意味。
norはnorth(北、北の)、wayは古印欧語の”wegh-“(to go, move = 行く、動く)に由来する。人が行き来するからway(道)というわけだ。
行く、動きを意味するこの”wegh-“は実にさまざまな言葉の祖になっている。
道沿いにずっと同じ景色が見えていたらalways(常に)、道から離れていればaway(離れて)、乗って走るものはwagon(ワゴン)、そもそも乗り物はvehicleなどなど。航海、旅行のvoyageもこのwegh-に由来する。
物を動かすときに重さを感じるので、wegh-という言葉からweigh(重量がある), weight(重さ、体重)という意味も生まれた。
vehement(ヴィーアメント)=「熱烈な」「情熱的な」という言葉もこのwegh-を語源にもつ。これは「心が動くような」情熱を示しているという説や、逆に「冷静な心がどこかに行ってしまった」くらい情熱的という説があるようだ。いずれしろ、wegh-のニュアンスを知っておくと、vehementという字面を見ただけで、何となく動きに関係のあるような、落ち着かない気持ちになってくるに違いない。