米大統領選で活躍。NewYork TimesのLive Presidential Forecast “The Needle”とは
トランプ大統領が返り咲きを果たした米大統領選2024。世界中が開票速報のニュースを見守る中、ひときわ注目を集めたサイトがあった。NewYork Timesのリアルタイム当選予測「ザ・ニードル」だ。
当然、現在はリアルタイムの更新をストップしているが、アーカイブで見ることができる。
ニューヨークタイムズの事前の取材や過去の傾向、当日の開票状況などを基に、独自モデルで予測した勝利確率を常時更新する仕組み。Chance of winning(勝利確率)として、TOSSUP(五分五分、どちらに転ぶか分からない)、LEAN(わずかに有利、やや優勢)、LIKELY(可能性が高い、勝つ見込みが高い)、VERY LIKELY(非常に可能性が高い、ほぼ確実)の4段階で評価する。上の図は最終結果なので、トランプの勝利確率がVERY LIKELYで止まっているが、アーカイブで見ることができる。
左下のゲージのElectoral college estimate は、米大統領選挙において、各候補者が獲得するであろう選挙人の数を予測したもの。米大統領選挙では国民が直接大統領を選ぶのではなく、州ごとに割り当てられた「選挙人」と呼ばれる人々が投票し、その結果で大統領が決まる。Electoral college estimate は、各州でどの候補者が勝利するか、そして最終的にどの候補者が過半数の選挙人を獲得するかを予測したもので、選挙戦の行方を占う上で重要な指標となる。Popular vote estimateは、人々が選挙人に投票した票数(一般投票数)のmargin(差)の予測。例えば「Trump +1.5」とあればトランプ氏の獲得した一般得票数がハリス氏の得票数より1.5ポイント多いことを示している。
トランプ氏の返り咲きが決まったとはいえ、開票作業は11月8日現在、まだ続いている。この間に複雑なアメリカ大統領選挙の仕組みについて学んでおきたいところだ。この「ザ・ニードル」を通してアメリカ大統領選挙の仕組みに触れると、興味を持ちやすいかもしれない。このブログでも今後、何回かに分けて「ザ・ニードル」について掘り下げていきたい。
日本の選挙でも、開票速報の一部としてメディアがこの「ザ・ニードル」を真似たリアルタイム勝者予測を導入する日が近いことは容易に予想できる。