fight-or-flight response(闘うか逃げるか反応)

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fight-or-flight response(ファイト・オア・フライト・レスンス)は、文字通り「戦うか逃げるか反応」。「闘争・逃走反応」ともいう。動物が捕食者などの恐怖に直面した時に、通常時とは異なるホルモンが分泌されたりして、良いも悪いも普段とは異なる反応が引き起こされる現象だ。比喩で用いられることはあまりなく、基本的には動物や人間の医療・心理学的なアカデミックな文脈で使われることが多い。

CNNでの使用例があった。

These are the best and worst ways to handle your anger, experts say
By Megan Marples, CNN

2021年9月28日の記事。

Anger is an emotional response to a “real or imagined threat or provocation,” he said. It ranges from mild irritation to blind rage and, when not addressed properly, can lead to health problems like cardiovascular disease, he added.

When the emotion triggers us, it also evokes your fight-or-flight response, said Ryan Martin, associate dean and professor of psychology at the University of Wisconsin-Green Bay.

fight-or-flight responseによってどのようなことが起こるか、次の一文で簡潔に説明されている。

Your muscles may tense up, the heart rate increases, and the digestive system slows down as you prepare to fight, he said.

この台詞によって、fight-or-flight responseによって「闘いに備え、筋肉は張り詰め、心拍数は上昇し、消化系機能が低下する」ことが分かる。英語の記事では普段耳慣れない専門用語が出てきたとき、このようにさりげなくその意味が分かるような工夫がなされていることが多い。自分で英作文を書くときなどにも生かせるだろう。

基本的に堅い用語だが、もちろん自分の身の回りのことに対してこのfight-or-flight resnponseを使い、おどけたり、大げさに言ったりすることもできる。その場合のfight-or-flight responseは、ネズミにとっての猛禽類ないし、シマウマにとってのライオンのような、絶対的な捕食者や手強い敵、つまり自分の苦手な人や物を目の前にして、自分が極端なリアクションしかできなくなってしまうときに使える。

そのときの動詞としては、trigger(トガー)が覚えやすくておすすめだ。

My mother always triggers my fight-or-flight response. (母親はいつも私の「闘うか逃げるか反応」を引き起こす)

なんて使い方ができる。これはなかなか深刻な状況ですが。

苦手な同僚や友人の名前を使って、He really triggers my fight-or-flight response.と言ってもいいかもしれない。

ちなみに、fight-or-flight responseを拡大解釈し、「火事場の馬鹿力」と訳すこともあるそう。ただ、「火事場の馬鹿力」自体の直訳は、hysterical strengthというそうだ。

もう一つちなみに、responseのアクセントはレではなく、ポの位置に来る。スポンスではなくレスンス(もっと言うなら、リスンス)と言えると渋い。

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