【語源100話(15)】うまく運ぶfare better

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fare better は「うまくやる」という意味。fareというと「運賃」という意味が真っ先に思い浮かび、どうしてfare better で「うまくやる」という意味になるのか直感で理解しづらいかもしれない。

fareはもともと、to go、to travelという意味。動詞になると「行く」「運ぶ」となり、fare betterは「事がよりうまく運ぶ」という意味になる。そう覚えたほうが、より直感的に覚えられる。

far(遠く)、farewell(別れ)、transfer(移す、異動)なども仲間。fareが「行く」「運ぶ」という意味だと覚えておけば、「運賃」という意味も腹に落ちる。アルファベットの「f」自体に「動く」というイメージを付けておくとよい。

これはもともとpor-やper-に「通す」という意味があり、fer-、far-と訛ったもの。上記の単語のほか、refer(参照する)は、何度も目を運ぶこと(re-fer)、confer(寄贈する、打ち合わせをする、会議をする)は、贈り物などを引き合わせる=寄贈する、人と人を引き合わせる=打ち合わせ・会議をする、というcon(一緒に)+fer(運ぶ)と語源に忠実な意味合いとなる。それを踏まえてconference(会議)という単語をみると、多くの人々があちこちから集まってくる様子が目に浮かんでくる。

fare betterは、ニューヨークタイムスの新型コロナウイルスの記事に出てきた。

Young adults make up a growing percentage of coronavirus cases in the United States and Europe, and early indications are that they tend to fare better with the disease, suffering fewer deaths and hospitalizations. But the story doesn’t end there.

「欧米では若者の感染割合が増えている。死者や重症患者は少なく、初期の傾向としてはうまく事が運んでいることが分かる。しかし話はこれで終わりではない」

fare betterに続く前置詞としては、withやinが多い。betterが比較級なので、もちろんthanが来て、〜よりうまく事が運んでいる、と使われることもある。

上記の記事中の文は、But the story doesn’t end there.((うまく事は運んでいるが)これで話は終わりではない。→本題)と記事が展開していくが、その運びも面白い。覚えておくと、面接や日常会話に使えそうだ。

fareの語源、far-, fer-, per-についてはこちらにも書いたのでご一読いただければ幸い。「farからimportantの旅」。

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