【Factに学ぶ(2)it takes ~ minutes】


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SNSに興味深い一言を淡々とツイートするFactというアカウントがある。例えば、ツイッターのアカウントは@Fact。真偽のほどは分からないが、いつも考えさせられたり、笑わせてもらったりしている。それだけでなく、分量が短く、言い回しもシンプルなので、英語の勉強になる。本日はこちらのツイートから。

Eat slowly. Your body takes 20 minutes to recognize it’s full.

(ゆっくり食べなさい。あなたの身体は満腹だと認識するのに20分かかる。)

「早食いはよくない」と言われるが、なぜ良くないかはこう言われるとよく分かる。早食いでたくさん食べた後、しばらくしてお腹がいっぱいになって動けなくことはよくある。このツイートを座右の銘にしてもいいくらいではないか。

座右の銘クラスの名言であると同時に、どれだけ時間がかかるかを説明するのに便利な表現が学べるツイートでもある。Your body takes 20 minutes to recognize it’s full. という一文を覚えておくだけでいろいろ役に立ちそうだ。

まず、ふつう「20分かかる」と表現するときは、it takes 20 minutes(「それ」は20分かかる)と表現するのはよく知られている。今回はyour bodyが主語になっていて、your body takes 20 minutes(「あなたの身体は20分かかる」)となっている。実はこれを知っていると、it takes 20 minutesの「it」ってなんじゃらほいという長年の疑問に答えることができるのだ。

基本的にはtake+時間は、主語が何かをするときにどのくらい時間をかけるか、かかるかということを意味する。学校などでは、it takes 20 minutes to ~ (~するのに20分かかる)という文章の主語になっている「it」を形式主語と教わったかもしれない。諸説あるものの、実はこのitは形式主語ではないという考えが多い。形式主語ではなく、環境などを表す漠然としたitである。

your body takes 20 minutes to recognizeと比べてみると分かりやすい。この場合、満腹かどうか認識するのに「your body」が20分かけるという意味である。ではこれをそのまま It takes 20 minute to get there.(そこに行くのに20分かかる)という文章で考えてみよう。すると、「it」があなたをそこまで行かせるのに20分かけるという意味になる。直訳すればそのままなので、当たり前のようだが、これこそ日本人にとって英語の難しいところの一つである。この「it」はその街の交通事情とか交通システムとかいろいろ含んだ「it」なのである。つまり、it=「この町の交通事情」はあなたをそこに行かせるのに20分かかる、と考えるのが適切だ。

もし形式主語を使ってツイートの文を書き換えると、your bodyを意味上の主語として、It takes 20 minutes for your body to recognize it’s full.になる。同じように、もしit takes の文を形式主語を使ってあえて書き直すと、It takes 20 minutes for the transport infrastructure of this city to get there. などになるだろう。 一般論ではなく、「あなたが」とか「私が」などと個別の事情でかかる時間を言いたいときはまた別の解釈となるのだが、その話はまたの機会に。

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