【語源100話(7)】見捨てられたderelict

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derelict(見捨てられた、荒廃した)の語源はとりわけ面白い。発音はレリクト。

de+re+lictに分解できる。deはentirely(全く)、reはback(戻す)、lictはleave(去る、そのままにする)のニュアンスで、「全く戻してそのまま立ち去る」、つまり「置いていかれる」「捨てられる」=「見捨てられた」「荒廃した」という意味になる。

relictはrelinquish(レリンクイッシュ、放棄する、捨てる)にも通じる。

親や教師が子どもを放置をしてしまうと、delinquency(ディリンクエンスィー、非行、不履行)につながってしまう。これもおなじ仲間の言葉だ。日本語では「非行」という、さも子どもに非があるような言い方だが、delinquencyの意味をたどれば保護すべき側が保護せずに放置した結果、という大人側の非を意味した言葉なのである。

2021/8/15追記。

タリバン関係のニュース速報で野生のrelinquishが出てきた。Taliban take power in Afghanistan: Interim government to be formed, president prepares to relinquish power, reports say (Business insider)

アフガニスタンをタリバンが実効支配:暫定政権樹立、現大統領は辞任(権限放棄)へ。

relinquish powerで、権力を放棄する、つまり辞任する、という意味になる。

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