decimation(デサメイション)は名詞で「壊滅」「撲滅」という意味。動詞はdecimate(デサメイト)で「壊滅させる」「撲滅させる」「多くの人を殺す」。「間引く」という意味もある。
deci(10の)はdeciliter(デシリットル)やDecember(12月。10番目の月)などでなじみが深いdeciが入っているので、なんとなく10に関係する単語だろうと直感を覚える。「10」から「壊滅」にはなかなかつながらないが、一度語源をかじっておくと、忘れにくい。
decimationは古代ローマの刑罰に由来する。敗戦して帰還した兵士たちを適当に並べたり、くじ引きをしたりして、10人ごとに1人、刑罰を受ける人間を抽出し、残りの9人が皆でその1人に石を投げつけるなどして処刑した。それぞれの兵士にどんな功罪があろうと無関係に、10分の1の確率で処刑され、10分の1の確率で同僚を処刑する側となる。あまりに残酷なこの刑罰は、軍の規律を維持するために行われたともされる。敗戦を連帯責任とした上、兵隊同士で手を下させるというのは、なんとなく現代の一部のブラック企業でも行われているような気がする。
由来を知っておくと、今後decimation, decimateという単語に遭遇した時、10人ごとに1人処刑される古代ローマの光景がイメージされることだろう。
最近でも、ロシアのウクライナ侵攻を伝えるNew York Timesの見出しに動詞形のdecimate(壊滅させる)が使われていた。10人ごとに1人なので1割程度しか被害を与えないわけではなく、そのくらい無差別に一方的に被害を与える、というニュアンスがある。
Ukraine decimated Russian forces trying to cross a river in the east, Britain’s defense ministry says.(ウクライナ、東部の川を渡ろうとするロシア軍を壊滅、英国国防省発表)
10人に1人を処罰する意味が転じて、「間引く」という意味でも使われる。技術的に使われることも多く、例えば3Dモデリングの世界でもメッシュの頂点を間引いて計算負荷を減らすことを「デシメートする」という。3DCG制作ソフトのBlender(ブレンダー)などでもよく使われるモディファイアーの一つである。
※アイキャッチ画像はStable Diffusionで生成しました。
(2026年1月12日追記)ここで、申し訳ありませんが、宣伝させてください。Kindleで「簡単な英語だけでもう沈黙しない システム化したシンプル英会話 英検1級二次試験編」 という電子書籍を出版しました。特に私のような英語に苦労しながらも英語が好きで、日本にいながらでも自分の言いたいことをちゃんと英語で伝えるようになりたいという方に向けて書いた本です。もう皆さんはペラペラに話せるだけの語彙力は十分にあるはずです。「シンプルでシステム化した英語」という思考整理法から始めて、少しずつ難しい言い回しに置き換えていけばいいと思います。これはまさに英検1級の二次試験対策になります。ぜひお読みいただければ幸いです。Unlimitedなら無料でお読みいただけます。順序が逆になりましたが、長年研究してきた、そもそもの「シンプルにシステム化した英語」の本も執筆中です。

コメント