【語源100話(84)】cordon off(コードン・オフ)、vandalism(ヴァンダリズム)…。パリ五輪はフランス語起源の英語を学ぶ機会になる。

Pocket

cordon off(コードン・オフ)は、「封鎖する」「立ち入り禁止にする」という意味の英熟語だ。

cordonはフランス語が由来で、紐や飾り紐を意味するcordから派生した。cordon bleu(コルドン・ブルー)といえば、フランス料理の最高峰の称号だ。直訳するとブルー・リボンと訳される。コードは紐状であり、リボン状でもある。cordon bleu chefで「一流シェフ」となる。もともとはブルボン王朝時代の最高の栄誉であった青綬章を意味した。

cordon offは、リボンのようなcordon(紐)でoff(隔離する)と考えると分かりやすい。日本でいえば、警察が事件現場を黄色のロープ(規制線)で囲っている様子を思い浮かべるとイメージしやすい。

cordon offは、事件や事故の現場だけでなく、工事現場やデモ、パレードなど、さまざまな場面で使われる。最近では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、特定の地域をcordon offするといったニュースもよく目にした。

パリ五輪では開会式直前、セーヌ川の一部がcordon offされたというニュースがNew York Timesに出ていた。鉄道の複数個所で破壊行為(vandalism、ヴァンダリズム)があったからだ。New York Timesの記事Arson Attacks Disrupt Trains Ahead of Opening Ceremonyから引用する(元記事は同社サイトから流れていってしまったようである)。

Weeks ago, the authorities cordoned off a section of the Seine on both banks to protect the thousands of athletes who will take part in the ceremony in a huge flotilla of boats and the hundreds of thousands of fans who will come to see it.

(数週間前、当局はセーヌ川の一部を両岸で封鎖し、多数の船で式典に参加する数千人の選手と、それを見に来る何十万人ものファンを保護した。)

cordonではなく、rope(ロープ)を使ったrope offという言い方もある。こちらのほうが庶民的な気がする。New York Timesの記者がパリ五輪に関係した記事なのでフランス語に起源のあるcordon offを使ったのではないかという説を個人的に唱えている。ちなみに、vandalismもフランス語起源だ。

記者にその気があったかは分からないが、おそらくパリ五輪の期間中は、英語のニュースにフランス語起源の英語がよく使われるであろうことは容易に予想できる。パリ五輪の期間中、フランス語起源の英単語や英熟語を意識してみると面白いし、学習にも役に立つだろう。このブログでも見つけたら紹介したいと思っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です