【超初心者向けAI解説】ChatGPT(GPT-3)を使い、英語学習に生かす方法(5) 設定を伝える

Pocket

対話型AIのChatGPTは設定を伝えることができるのも強みの一つだ。

設定を伝えるとはどういうことだろうか。試してみよう。

まず、あなたがどうしてもほしい物があるとする。それを持っている誰かにメールをして譲ってもらいたいとする。そのメールの文面をChatGPTに書いてもらおう。

プロンプト(指示文)は基本的には自由に書けばいいのだが、「:」(コロン)を使って書くと見た目に分かりやすいし、余計な言い回しが入らない分、AIも理解しやすくなる。コロンを書く方法は海外でも一般的なのでお薦めだ。半角でも全角でも構わない。

だまされたと思って次のように指示してみてほしい。

指示文:どうしてもほしいもの:1966年のビートルズの日本公演のチケット そのためにしてもいいこと:逆立ちをしてラーメンを食べる メール本文:

もう本当にそのまま書いてしまうという感じだ。最後の「メール本文:」というところで、コロンの後をChatGPTに書いてもらうことを促している。一体、これで本当に通じるのかと不安に思ってしまうのは仕方ないかもしれないが、それをいい意味で裏切ってくるのがChatGPTの凄いところである。

結果はこちら。

ChatGPT: Subject: Willing to Do a Handstand for 1966 Beatles Japan Concert Ticket
Dear Sir/Madam,
I am writing to express my deep interest in obtaining a ticket for the 1966 Beatles concert in Japan. I am a huge fan of their music and have always wanted to see them perform live.
I understand that tickets for this particular concert are extremely rare and valuable, but I am willing to do anything to get my hands on one. I am even willing to do a handstand while eating ramen, if that’s what it takes.
I hope that you can help me fulfill my lifelong dream by selling me one of your precious tickets. I would be forever grateful and would cherish this opportunity for the rest of my life.
Thank you for your time and consideration.
Sincerely, [Your Name]

この英文メールをそのまま海外コレクターに送っても、全く問題なくわかってもらえると思う。日本語に訳してもらおう。それもChatGPTにそのまま頼めばいい。

件名: 1966年のビートルズの日本公演のチケットのために逆立ちもします
拝啓、
私は、1966年のビートルズの日本公演のチケットを入手したいとの思いを伝えるため、このメールを送信しています。私は彼らの音楽が大好きで、いつか彼らのライブパフォーマンスを見たかったと願っています。
この特定の公演のチケットは極めて希少で貴重なものだと理解していますが、どんなことでもして手に入れたいと思っています。例えばラーメンを食べながら逆立ちをすることも、それが必要ならば。
私の人生の夢を実現するために、あなたが素晴らしいチケットを売ってくださることを望んでいます。この機会を永遠に大切にしていただけると、心から感謝します。
ご検討いただき、ありがとうございます。
敬具、 [あなたの名前]

多少、不自然なところもあるが、最初の指示文だけでここまで意図を踏まえた依頼メールを(全自動で)書いてしまうというのは驚き以外の何物でもない。どうでしょうか。凄すぎませんか。

では、さらに無茶ぶりをしてみたいと思う。小説を書いてもらうことにする。指示文はやはりまた「:」(コロン)を使って、箇条書きで入力する。書いてほしいストーリーの概要と文体(だ・である調)を伝え、物語に出してほしいキーワードを「タグ:」としていくつか指定する。ここでは、ちょっと意地悪な感じで、全く脈絡のない単語を3つ指定した。さらに生成する小説の長さも「300文字程度」とした。そして、最後に「小説の本文:」として、ChatGPTに続きを生成してもらう。

(指示文)概要:桃太郎と浦島太郎がケンカするが、最後は仲直りをして一緒に鬼を倒す 文体:だ・である調 タグ:マイケル、ブラタモリ、コカ・コーラ 長さ:300文字程度 小説の本文:

その結果が次の小説である。

(ChatGPT)桃太郎と浦島太郎は、住んでいる村から遠い山に向かって旅をしていた。だが、二人は道中でケンカをしてしまった。しかし、そんな彼らを待ち受けていたのは、大きな鬼の姿だった。鬼は二人を襲ってきたが、彼らは力を合わせて鬼を倒すことができた。二人は仲直りをし、マイケルの演奏を聴きながらコカ・コーラを飲み、ブラタモリを見て楽しい旅を続けた。

どうだろう。指示文で指定した概要をちゃんと踏まえ、ケンカした二人が仲直りして鬼を倒す話になっているし、無茶ぶりした3つのキーワードもしっかり入っている。これがChatGPTの実力である。

ちなみに、指示文は本当になんでもよく、かなり自由度が高い。決して「:」(コロン)を使わなくてもいいし、フォーマットが決まっているわけでもない。どう書いてもこちらの意図を文脈から読み取って、それなりの結果を出してくれるのが最新AIの凄いところだ。指示文をいろいろ試してみるのも面白いだろう。

これまで5回にわたっていろいろな使い方を紹介してきたが、そうした知識を生かして次はいよいよ英語学習にどう使えるか、具体的な活用法の紹介に入りたい。特に英検対策や英会話対策にいいのではないだろうか。

【次のエントリ】【超初心者向けAI解説】ChatGPT(GPT-3)を使い、英語学習に生かす方法(6) 英検1級の2次試験対策に使ってみる 

【前のエントリ】【超初心者向けAI解説】ChatGPT(GPT-3)を使い、英語学習に生かす方法(4) 表計算ソフトの関数を書いてもらう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です