【語源100話(78)】ChatGPTで注目。chatの語源とは
ChatGPT(チャットGPT)は対話型AI(Artificial Intelligence)と言われるが、chatが「対話型」の部分の訳になっている。chatはchatterの略。online etymology dictionaryによると、chatterの意味は
“to twitter, make quick, shrill sounds” (of birds), “to gossip, talk idly or thoughtlessly” (of persons)
https://www.etymonline.com/word/chatter?ref=etymonline_crossreference#etymonline_v_8468
”さえずる、短く(quick)甲高い(shrill)音をたてる”。鳥のさえずりのイメージで、転じて「人間が深く考えずに気軽な感じで話す」ことを意味する。
同サイトでは語源は、echoic(擬声)、別のサイトでも、imitative(模倣)とされている。(https://www.wordreference.com/definition/chatter)
つまり、鳥のさえずりをまねた擬音語がchatterの由来のようだ。日本語でペチャクチャとか、ペラペラとか、そんな感じだろうか。
ちなみに、英会話の中で「かくかくしかじか」という意味で「ブラーブラーブラー(Blah, blah, blah)」ということがある。聞いたことがある方も多いのでは。これはフランス語のblasé(無関心)に由来し、「詳しい内容は置いといて、なんかこんな感じ」みたいなニュアンスがある。例えば、He was talking blah-blah-blah.(彼がベラベラ話していたよ)。
chatの語源を知ると、ChatGPTというネーミングに込められた意味が分かってくるような気がする。chatはもともと鳥のさえずり、転じて、何も考えずに気軽に会話することを意味した。つまり、AIはもはやお堅い存在ではなく、気軽な気持ちで何でも話しかけてほしいという開発者の願いである。