【語源100話(38)】人名に由来するBoolean
Boolean(ブーリアン)は論理型などと言われるデータ型。TrueかFalseかを返す。ブール型ともいう。
booleanの語源は人名である。19世紀の英国の数学者George Boole(ジョージ・ブール)に由来する。ブールが創り上げた代数学(algebra)は、真か偽かを”計算”できるというものであった。
ブールの時代はまだコンピュータは発明されていなかったが、ブールが考案したブール代数によって、真か偽か、もしくは電気が流れているか(1)、流れていないか(0)の組み合わせをさまざまに比べられるようになり、機械や電子回路が高度な判断や条件分岐を行うことが可能になった。これがコンピュータの原理につながる。
ちなみに、代数学を意味するalgebra(アルジェブラ)とは、未知の数字の代わりに変数を用いて方程式を解き、答えを導く学問。由来はアラビア語のal gabr(アル・ジャブル)である。アル・ジャブルには、何かを動かしたり、くっつけたりして、こねくり回すというイメージがある。方程式を解くときに「移項」などの手法を駆使するが、アル・ジャブルはまさにそういった操作のことである。