【覚えるメモ(1)】be committed toの使い方とその裏にある深い責任感
「be committed to」というフレーズは、英語の中でも「~に専念する」「~に全力を注ぐ」という意味で頻繁に使われる重要な表現である。ここで使われる「commit」は、もともとラテン語の「committere」に由来し、「共に送る」「引き受ける」という意味を持つ。mittereの「送る」というイメージは、transmitter(トランスミッター、送信機)という単語もあるので覚えやすいだろう。mission(使命、任務)も同じ語源で、もともとはmittereの送るという語義から、派遣団や使節団を意味した。何らかの任務を持って「送られる」ことだ。こうした語源のイメージからわかるように、「be committed to」というフレーズは、単に何かを行うだけでなく、深く関わり、そのために努力やエネルギーを惜しまず捧げるというニュアンスを含んでいる。
例えば、「I am committed to this project.」という場合、その人はプロジェクトに対して単なる参加者ではなく、成功に向けて全力を尽くすことを約束していることを表す。ここで重要なのは、「commitment」という言葉が持つ「強い責任感」や「献身」のイメージだ。単に「やる」と言うよりも、もっと深いレベルでの関与や責任を示しているのだ。
「be committed to」の後に名詞や動名詞を続けて使う場合が多く、「~することに専念する」「~に責任を持つ」という意味になる。例えば、「She is committed to improving her skills.(彼女はスキルを向上させることに専念している)」といった表現がよく見られる。この場合、スキル向上が彼女にとって一時的な努力ではなく、長期的な取り組みであり、そのために必要な時間やエネルギーを惜しまないことが伝わる。TOEICや英検では、このtoを不定詞と錯覚させる問題が出る。動詞の原形を選んでしまいがちだが、上記の意味さえ分かっていれば名詞や動名詞が入る可能性が高いことが分かるだろう。
他の類似表現としては「dedicated to(~に専念している)」や「devoted to(~に献身している)」が挙げられるが、微妙なニュアンスの違いが存在する。「dedicated」は主に目標達成に向けて意識的に時間や努力を費やすというニュアンスが強く、「devoted」はより感情的な献身、つまり愛情や情熱をもって何かに取り組むことを示す。一方で、「be committed to」はそれらの中でも最も「責任感」を伴った表現であり、具体的な約束や義務感が伴うことが多い。
「commit」のもう一つの興味深い使い方として、「commit a crime(犯罪を犯す)」という表現もある。これは、犯罪に対して行為者がその結果に責任を負うという意味合いから「commit」という単語が使われている。つまり、「commit」という言葉には単に行動を行うという意味だけでなく、その行動に対しての責任を負うという強いニュアンスがあるのだ。また、「commission」には委員会や手数料、委任などいろいろな意味があるが、どれも「責任」というニュアンスを含むことが分かる。余談ながら、commissionには賄賂の意味もあり、「分かっておろうな」という責任のニュアンスを感じる。
このように、「be committed to」という表現を理解するためには、その背後にある「責任感」や「献身」の意味をしっかりと把握することが重要である。このフレーズを正しく使いこなすことで、英語でのコミュニケーションにおいて、相手に対する責任感や意欲をより効果的に伝えることができるだろう。だから、ライザップのCMで一躍有名になったフレーズ「結果にコミットする」の意味は、受動態で考えた方が分かりやすい。「ユーザーがダイエットの結果に(ライザップによって)コミットさせられる」、つまり「ダイエットに責任をもって取り組む」のはあくまでユーザーであって、ライザップはそれをさせる=それを手助けする、という意味である。