【語源100話(56)】ADVENTURE IS AN ATTITUDEの意味
Minecraft(マインクラフト)のTシャツに、ADVENTURE IS AN ATTITUDEと書いてあった。attitudeといえば学校では「態度」と習ったが、「アドベンチャーは態度だ」ではよく分からない。
まず、attitudeはaptitude(適性、素養)と語源を同じくするdoublet(二重語、姉妹語)である。接頭辞のap-にはもともと、「身につける」という意味があり、「(生まれつき身につけた)才能、素養」という意味を持つaptitudeという単語が生まれた。
では、「後天的に努力で身につける」場合はどうかというと、それは「自分を適応させる」ということだから、ad-をつけたadapt(適応させる、順応させる)という単語が出てくる。電圧や交流直流を適合させたり、ジョイントの形を揃えたりするadapter(アダプター)はすっかり日本語になっている。
ADVENTURE IS AN ATTITUDEに戻ろう。attitudeはもちろん、態度や思考という意味があるが、aptitideと同じ語源を持つので、同じようなニュアンスを含む。つまり、態度は態度でも、接頭辞のap-の持つ「身につける」「適応する」というニュアンスを含む「態度」のこと。考えてみれば「態度」とは気分や相手に合わせて使い分けるものである。
というわけで、ADVENTURE IS AN ATTITUDEのattitudeは、個人的には「気の持ちよう」と訳すのがいいのではないかと思う。ADVENTURE IS AN ATTITUDE(冒険は気の持ちようだ→気の持ちようで何でも冒険になる)。つまり、退屈だと思っている日常生活も、ちょっと視点を変えてみれば面白い冒険になるというメッセージなのだ。