【語源100話(74)】分かったような分からないようなアンビエントオクルージョン(ambient occlusion)

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occlusion(オクルージョン、発音はアクルージャンという感じのほうが近い)は、CG用語のambient occlusion(アンビエント・オクルージョン)で聞く機会がほとんどではないだろうか。初心者にとってアンビエント・オクルージョンはなかなか難敵だ。日本語では「環境遮蔽」などと訳されることが多いが、今一つ腹落ちしない人も多いだろう。こういうときも、語源を知ったほうが理解が深まる。

まず、occlusionの動詞形はocclude。この語源をみていこう。occuludeを分解すると、ob(~に対して)+clude(閉める)となる。cludeはclose(閉める、シャットアウトする)と同じだ。つまり、occludeは、何かが動いてきて、そこでシャットアウトされる(遮蔽される)、という意味。では、アンビエント・オクルージョンでは、何が動いてきて遮蔽されるのかというと、ambient lighting(環境光)だ。ゆえに、アンビエント・オクルージョンは、「環境光が遮蔽されること」と訳せる。ようするに「環境遮蔽」というわけだ。

これでもまだ分かりにくいかもしれない。「環境光が遮蔽されること」は何を意味するかというと、「環境光によってできる影(シャドウ)」を意味する。つまり、アンビエント・オクルージョンとは「環境光(間接光)によってできる影(シャドウ)」のことである。

ちなみに、ambientの語源は、ambhi(周りに)+ire(行く)。「何かの周囲をぐるっと回って確認するもの」=「環境」といったイメージだ。同じ接頭辞を用いたきょうだいの単語としては、about(~の周りに、~について)、embassy(使節団、大使館)などがある。

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