rampant(ランパント)は「激しい」「はびこった」「みさかいのない」「ものすごい勢いで横行している」という意味。猛々しい感じですさまじい勢いや迫力を持って何かが高まるさまをイメージした形容詞である。
「後ろ足で立つ」が語源。ライオンなどが後ろ足だけで立ち、咆哮している姿が本来のイメージ。それを覚えておくだけで、この単語を覚えやすくなる。
動詞のramp(ランプ)もこの「後ろ足で立つ」ライオンのイメージで「登る」という意味になる。面白いのは名詞の「ランプ」で、高速道路などの入り口の高さの違う道路を結ぶ構造や傾斜のことを指すが、まさに高さの違う道路をライオンが後ろ足で立つように橋渡しをしていることにそもそもの由来があることになる。今後、首都高などのランプと聞いて巨大なライオンが後ろ足で立っている姿が目に浮かべば、あなたも立派な語源マニアである。
そもそもrampがなぜ「登る」とか「後ろ足で立つ」などの意味として生まれたのかは残念ながら語源不詳。ただ、rampの元になった方言で「体に力を入れる」などの意味があったなどと言われている。
いずれにしても、rampant(ランパント)という単語を見たら猛々しいライオンが後ろ足で立っている姿を思い出すとよい。ちょっとネットニュースを検索しただけでも、例えば、
rampant forest destruction(すさまじい勢いで進行する森林破壊)
rampant sexual abuse(みさかいのない性的虐待)
rampant gun violence(横行する銃による暴力)
など枚挙にいとまがない。
たまには文法的な話をすると、これらは全て形容詞の限定的用法という使い方(~な〇〇のように名詞を形容する)だが、叙述的用法(〇〇は~だ、という修飾の仕方)で使われることも多い。
例えば、アルジャジーラのニュース(https://www.aljazeera.com/economy/2021/12/27/how-venezuela-this-year-almost-doubled-its-oil-output)では、次のように使われている。
In the nation’s western region, where equipment robbery has been rampant, …(略)
「武装した強盗が蔓延っている西部地方では…」
他のニュースサイトでは、次のような例もあった。
This trend of abuse of power, sadly, has been rampant...
「権力を乱用する傾向は残念ながら横行している」
何かのひどさやすさまじさを強調したいとき、ぜひライオンを想像し、rampantという単語を使ってみてはどうだろう。