perpendicularの読みは「パーペンディキュラー」で、ディにアクセントが付く。意味は「垂直の」。
a perpendicular lineといえば垂直線のことで、perpendicular to ~で、「~に垂直な」という意味になる。数学やプログラミングではベクトルの説明によく出てくる。垂直というイメージから、文字通り「垂直に切り立った」ような崖(a perpendicular cliff)を表現するときにも使える。
語源は、per+pendicularに分けられる。per(徹底して)+pendere(ぶら下げる、ぶら下げて測る、ぶら下げてクルクル回る)となる。ラテン語ではperpendiculumで、縦の柱を意味するculum(カラム)という言葉が入っているのが興味深い。カラムについては、こちらのエピソードでも説明した【語源100話(33)】column(列)とexcel(エクセル)の思わぬ繋がり。
pendere(ぶら下げる)の接頭辞のpen-は実にいろんな単語を作り出す最重要な接頭辞の一つ。例えば、depend(依存する)、pendant(ペンダント)、suspend(つる下げる)など。pen-から形は崩れるが、spin(クルクル回る)も同語源。木の枝からぶら下がり、クルクル回っている(spinしている)のはクモ(spider)だ。
閑話休題。perpendicularの由来は、「ぶらぶらと揺れる天秤で慎重に釣り合いを取ろうとしているイメージ」を描いておくといいだろう。いずれにしても、perpendicularの語源をたどると、ペンダントやスパイダーが出てくるのは面白い。
perpendicular(垂直の)に似た単語にvertical(鉛直の、ヴァーティコー)がある。verticalはvertex(頂点、最も高い点)に由来する。perpendicularがどんな斜面や斜線に対しても直角方向を示す一方、verticalはあくまで水平線に対しての垂直線、つまり地球上でいえば重力がかかる向きに対して使われるのが大きな違い。
ちなみに、「a perpendicular cliff」の検索ヒット数は約2万9000件、「a vertical cliff」のヒット数は約22万件だった。perpendicularはverticalより馴染みが薄いが、その分、会話や面接でさりげなく使うとインパクトがあるかもしれない。