English Memorandum

【語源100話(11)】心にまぐわを引かれるharrowing

海外ニュースを見聞きしていると、harrowingという言葉がよく出てくる。「ロイン」みたいな発音なので、英語の勉強を本格的にし始めた直後は、麻薬のヘロインとか、あのお祭り騒ぎのハロウィーンとよく間違えて、意味が全く取れないことがあった。

harrowingは「痛ましい」という意味。日本でも痛ましい事件や事故とよく使われるように、海外でもよく「a harrowing accident(痛ましい事故)」などと使われる。これは本当によく出てくるので、発音も含めて覚えておくといいかもしれない。

harrowingの語源になっているharrow は「まぐわ(馬鍬)」「農具」のこと。動詞では田んぼや畑にくわを入れて耕すことになる。harrow自体の語源は、harvest(収穫)もしくはharry(しつこく攻撃する、悩ませる)と関連があるとされる。

そして、harrowには「まぐわを引く」という意味から転じて、「心にまぐわを引いて苦しめる」という意味もある。

そこからharrowingで「酷い」「痛ましい」「悲惨な」という意味になった。なかなか覚えやすく、忘れにくい語源であるが、なにより冒頭に書いた発音が問題だ。お祭りのハロウィーンはhalloweenで、Lの発音ということと、アクセントがハロウィーンと後ろにあるので、まだ気づける。

麻薬のヘロインはRの発音で共通しているので、なかなか厄介である。聞き取りのコツとしては、harrowingはアクセントはあまり強くなく、平板に読まれることが多い。また、形容詞なのでaccidentなど他の名詞とセットで使われることが多い。一方、麻薬のヘロインは明確にロインと強調されることが多く、多くは動詞の後に出てくることが多いかな、という感じ。とは言え、ほとんどのケースではニュース自体の文脈で判断できることが多いので、そこまで心配はいらないかもしれない。(自分は何度も懲りずにharrowingとheroinを聞き間違えたのだけど)

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