1966年に起きたいわゆる袴田事件で一家4人を殺害したとして死刑判決を受け、長年にわたって再審(裁判のやり直し)を闘っていた袴田巌さんに9月26日、静岡地裁は無罪を言い渡した。「無罪判決が出た」について調べてみた。
英語では「無罪判決が出た」という表現に対応する言い方はいくつかあるが、最もシンプルなものとしては “found not guilty” である。これは中学英語の範囲でもよく使われる基本的なフレーズだが、場面に応じて少しフォーマルな表現もあるので、いくつか紹介してみよう。
まず、”found not guilty” を分解してみると、”found” は「判決が下された」、”not guilty” は「無罪」である。つまり直訳すれば、「無罪であると判定された」という意味になる。日本語の「無罪判決」にぴったり合う簡単な表現だ。
袴田さんの無罪を伝えるネットニュースでも使われている。
次に、少しフォーマルな表現としては “acquitted” という単語が使える。”acquit” という動詞は「無罪を言い渡す」という意味で、裁判や法的な文脈でよく用いられる。”acquitted” はその過去形で、「無罪となった」という意味だ。例えば、”He was acquitted of all charges.”(彼はすべての罪状について無罪となった)という具合に使う。
とりあえず、次の二つを押さえておけばいいだろう。
- found not guilty: 判決で無罪とされた
- acquitted: 無罪判決を受けた(法的に使われるフォーマルな表現)
- “The jury found him not guilty of the crime.”(陪審は彼をその犯罪について無罪とした)
- “She was acquitted after a lengthy trial.”(彼女は長い裁判の後、無罪となった)
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無罪判決に関連するイディオムやコロケーション
「無罪判決」に関連する重要なコロケーションとしては、”acquitted of all charges”(すべての罪状で無罪となる)や “not guilty verdict”(無罪評決)がある。これらは法廷で頻繁に耳にするフレーズで、ニュース記事などでもよく見かける。
また、”be cleared of charges” という表現もあり、これは「嫌疑が晴れる」「無罪となる」という意味で、もう少しカジュアルに使われることが多い。
類似表現
「無罪判決が出た」という意味を持つ別の表現として、”exonerated” という言葉もある。”exonerate” は「免罪する」という意味で、冤罪(えんざい)を晴らしたり、無実が証明された時に使われる。この単語はより強い意味合いを持ち、「疑いが完全に晴れた」というニュアンスがあるので、例えば「誤認逮捕だったが無実が証明された」といった場面で適切だ。
今回のケースは長年の雪冤を果たすという意味でexonerateが最適かもしれない。
In rare retrial, Shizuoka court rules ex-boxer not guilty of 1966 murders
この記事中でも、The Shizuoka District Court’s ruling paves the way for the 88-year-old Hakamata to be exonerated if prosecutors do not appeal the decision within two weeks. とexonerateが使われている。検察が控訴を断念して初めて全ての冤罪が晴れる、という意味をexonerateをで示していることが分かる。
単語間の包摂関係
- 上位語: not guilty(無罪)
- 下位語1: acquitted(法的に無罪が確定した)
- 下位語2: exonerated(冤罪が晴れた)
- 下位語3: cleared of charges(嫌疑が晴れた)
つまり、上位概念としては「無罪」を表す最も簡単な表現が not guilty だが、法的な文脈では acquitted がよく使われる。そして、無実を証明された場合には exonerated という、さらに明確な無罪の概念が含まれる。
試験対策
TOEICや英検の問題でも、法律用語や裁判に関する語彙が時々出題される。”guilty”(有罪)や “not guilty”(無罪)、”verdict”(評決)などは、ニュースや新聞を読む際にも覚えておくと便利な単語である。特に “acquitted” は実際のニュース記事や映画で耳にすることが多いので、覚えておくと得点につながりやすいだろう。