「信用できない」という言葉は、人間関係でもビジネスでも頻出する重要な表現であるが、英語では状況やニュアンスによっていくつかの言い方に分かれるのが興味深いところである。まず基本として押さえたいのは cannot trust や don’t trust である。これは中学校レベルのシンプルな表現で、英語では “to believe that someone is reliable and honest”(その人が信頼できて正直だと信じること)という意味の trust に否定がついた形で、日本語では「信用できない」となる。
もう少し自然な形としてよく使われるのが untrustworthy である。これは “not able to be trusted; not reliable or honest”(信頼できない、信用に値しない)という意味で、「信用できない人・物」を形容詞として表すときに便利である。また、よりカジュアルに言うなら sketchy(なんだか怪しい、信用できない)という表現もあり、日常会話でよく登場する。
このあたりを整理すると、上位語としては person(人) や thing(もの)、そしてその性質としての good(良い) や reliable(信頼できる) がある。その反対側に位置するのが「信用できない」という概念であり、その具体的な表現として untrustworthy や don’t trust があると考えると理解しやすい。一方で下位語としては、より具体的な「信用できなさ」の種類に分かれていく。例えば dishonest(不正直な)、unreliable(頼りにならない)、suspicious(疑わしい) などである。
使い方も見てみよう。たとえば “I don’t trust him.”(彼は信用できない)は最もシンプルでよく使われる形である。また “He is untrustworthy.”(彼は信用できない人だ)という言い方もフォーマルで自然である。コロケーションとしては trust someone, gain trust(信頼を得る), lose trust(信頼を失う), a trustworthy person(信用できる人) などが重要である。
さらに関連する表現として、“You can’t rely on him.”(彼は頼りにならない)も非常に近い意味で使われる。rely on は「頼る」という意味なので、その否定形は「信用できない」にかなり近いニュアンスになる。また “I have doubts about…”(〜に疑いを持っている)も、やややわらかく「信用できない」と伝える表現である。
似た意味の単語の違いも整理しておこう。untrustworthy は「人として信用できない」という評価を直接的に表す。dishonest は「嘘をつく・正直でない」という道徳的な問題に焦点がある。unreliable は「約束を守らない・安定しない」といった実務的な信用のなさを指す。suspicious は「怪しい」というニュアンスで、まだ確証はないが疑っている状態である。
最後に単語の関係を整理するとこうなる。
person / thing(人・もの)
└ good / reliable(良い・信頼できる)
└ 信用できない(don’t trust / untrustworthy)
├ dishonest(不正直で信用できない)
├ unreliable(頼りにならない)
└ suspicious(疑わしい)
このように階層で整理すると、「信用できない」という一言の中にある評価の違いがクリアに見えてくる。
ちなみに trust や reliable、untrustworthy は英検・TOEICともに頻出の重要語であり、特にビジネス英語では trust(信頼)が中心テーマになることも多い。ここをしっかり押さえておくと、読解でも会話でも大きな武器になる。
「信用できない」という判断は、人間関係において非常に重要であり、ときに慎重さも求められる。そのニュアンスを英語で言い分けられるようになると、より的確に状況を表現できるようになるのである。