対話型AIのChatGPTは設定を伝えることができるのも強みの一つだ。
設定を伝えるとはどういうことだろうか。試してみよう。
まず、あなたがどうしてもほしい物があるとする。それを持っている誰かにメールをして譲ってもらいたいとする。そのメールの文面をChatGPTに書いてもらおう。
プロンプト(指示文)は基本的には自由に書けばいいのだが、「:」(コロン)を使って書くと見た目に分かりやすいし、余計な言い回しが入らない分、AIも理解しやすくなる。コロンを書く方法は海外でも一般的なのでお薦めだ。半角でも全角でも構わない。
だまされたと思って次のように指示してみてほしい。
もう本当にそのまま書いてしまうという感じだ。最後の「メール本文:」というところで、コロンの後をChatGPTに書いてもらうことを促している。一体、これで本当に通じるのかと不安に思ってしまうのは仕方ないかもしれないが、それをいい意味で裏切ってくるのがChatGPTの凄いところである。
結果はこちら。
この英文メールをそのまま海外コレクターに送っても、全く問題なくわかってもらえると思う。日本語に訳してもらおう。それもChatGPTにそのまま頼めばいい。
多少、不自然なところもあるが、最初の指示文だけでここまで意図を踏まえた依頼メールを(全自動で)書いてしまうというのは驚き以外の何物でもない。どうでしょうか。凄すぎませんか。
では、さらに無茶ぶりをしてみたいと思う。小説を書いてもらうことにする。指示文はやはりまた「:」(コロン)を使って、箇条書きで入力する。書いてほしいストーリーの概要と文体(だ・である調)を伝え、物語に出してほしいキーワードを「タグ:」としていくつか指定する。ここでは、ちょっと意地悪な感じで、全く脈絡のない単語を3つ指定した。さらに生成する小説の長さも「300文字程度」とした。そして、最後に「小説の本文:」として、ChatGPTに続きを生成してもらう。
その結果が次の小説である。
どうだろう。指示文で指定した概要をちゃんと踏まえ、ケンカした二人が仲直りして鬼を倒す話になっているし、無茶ぶりした3つのキーワードもしっかり入っている。これがChatGPTの実力である。
ちなみに、指示文は本当になんでもよく、かなり自由度が高い。決して「:」(コロン)を使わなくてもいいし、フォーマットが決まっているわけでもない。どう書いてもこちらの意図を文脈から読み取って、それなりの結果を出してくれるのが最新AIの凄いところだ。指示文をいろいろ試してみるのも面白いだろう。
これまで5回にわたっていろいろな使い方を紹介してきたが、そうした知識を生かして次はいよいよ英語学習にどう使えるか、具体的な活用法の紹介に入りたい。特に英検対策や英会話対策にいいのではないだろうか。
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