「confound(カンファウンド)」は、一筋縄ではいかない単語だ。意味としては「混乱させる」「困惑させる」「~を台無しにする」などがあるが、根底にあるのは「頭がこんがらがる」「期待を裏切る」という感覚だ。
もともとはラテン語の confundere(一緒に混ぜる)に由来し、「物事をゴチャゴチャにする」というニュアンスがある。そこから転じて、「人を混乱させる」「予想を覆す」などの意味になった。たとえば、難解な数学の問題や、予想外の出来事に遭遇したときの「えっ、どういうこと?」という気持ちが、この単語にぴったりだ。
たとえば、こんなふうに使う。
- The complex instructions confounded me. (複雑な説明に混乱させられた。)
- His unexpected kindness confounded his enemies. (彼の予想外の優しさが敵を困惑させた。)
- The magician’s trick confounded the audience. (マジシャンの手品が観客を唖然とさせた。)
特に、論理的に考えていたのに、思わぬことで「頭が真っ白になった」「困惑した」場合によく使われる。また、相手の予想を覆して「驚かせる」という意味合いも含まれるので、手品やどんでん返しのあるストーリーにもぴったりだ。
この単語を覚えるコツは、foundが「(溶かして)注ぐ」という意味であることを知っておくことだ。もともとは古印欧語の「gheu-」に由来する。チーズフォンデュのフォンデュ(fondue)と同じだと言われると覚えやすいだろう。ほかにも、confuseやfusionなど、foundの仲間はいずれも「(溶かして)注ぐ」というイメージを持っている。「con(共に)」+「found(溶けて注がれる)」と覚えておけば、「いろんな現実や思考が混ざって一気に頭に注がれ、混乱している」イメージが分かるだろう。
より簡単な言葉に言い換えると、confuse(混乱させる) や bewilder(当惑させる) が近い。また、「予想を覆す」の意味では surprise(驚かせる) も似たニュアンスを持っている。
「confound」は単なる混乱だけでなく、「期待を裏切って驚かせる」という面もあることを覚えておくと、よりしっくりくるはずだ。
confoundを見たら、とんでもないチーズフォンデュを前に混乱している場面を思い出してもいいかもしれない。