ensconce(インスカンス、エンスカンス) は、少しフォーマルで文学的な響きを持つが、覚えておくと便利な単語だ。その意味は「しっかりと落ち着かせる」「安全で快適な場所に身を置く」など。例えば、暖炉のそばの大きなソファに深く座り込んで、本を読む……そんな状況にぴったりの単語である。
sconce という単語は、意外にもいくつかの異なる意味を持っている。その中でも特に知られているのは「壁につける照明器具」だ。映画のシーンで、古い城や館の廊下の壁に取り付けられた、炎が揺れるランプやキャンドルホルダーを見たことがあるだろう。あれこそが sconce である。現代でも、レストランやホテルの壁におしゃれな間接照明として取り付けられていることが多い。
しかし、もともとの語源をたどると、この言葉は「防御」「要塞」といった意味を持っていた。中世ヨーロッパでは、sconce は城や砦の一部を指し、敵から身を守るための防壁や防御施設を意味していた。実際、オランダ語の schans(要塞)や、ドイツ語の Schanz(塹壕)と同じルーツを持つ。
つまり、ensconce は「しっかり守られた場所に身を置く」というニュアンスがあるのだ。例えば、冬の寒い日に厚手の毛布にくるまっているのは、まさに ensconce oneself in a blanket(毛布にくるまってぬくぬくと落ち着く)という状況だ。
また、単に「快適に落ち着く」だけでなく、「こっそり隠れる」という意味で使われることもある。たとえば、泥棒が暗がりに身を潜めているなら He was ensconced in the shadows.(彼は影の中に身を潜めていた)となる。つまり、「すっぽり収まる」「守られた場所にしっかりと身を置く」というイメージで捉えるとよい。
この単語を覚えるには、「要塞(sconce)の中にしっかり守られている」と考えるとイメージしやすい。また、「エンスカンス」という音の響きから、「円」と「スコーン」を連想して、「円の中にすっぽりおさまりながら、スコーンを食べてくつろいでいる」場面で記憶してもいいだろう。次に寒い夜、ふかふかの毛布にくるまるときは、「ああ、今まさに ensconced しているな」と思い出してほしい。