English Memorandum

【一読で覚える英単語(11)】skirt

「skirt」と聞けば、真っ先に「スカート」を思い浮かべるだろう。実際、日本語でもそのまま「スカート」として定着しているが、英語の skirt にはそれだけではない、なかなか面白い意味がある。

まず、基本的な意味はもちろん「スカート」だ。語源をたどると、これは古ノルド語の skyrta(シャツ)が変化したもので、同じく「シャツ」を意味する shirt とも遠い親戚なのだ。興味深いことに、shirt は上半身を覆うもの、skirt は下半身を覆うものになった。まるで兄弟が役割分担をしたようで面白い。

しかし、skirt にはもう一つ重要な意味がある。それは「(何かの)周辺」や「へり」「ふち」だ。例えば、the skirt of the forest(森の端)や the skirts of the city(都市の周辺)という表現がある。これはスカートが体の周りをふわりと囲むように、何かの外側を取り巻く部分を指しているのだ。

さらに、動詞としての skirt も侮れない。「~の端を通る」「~を避けて通る」といった意味があり、例えば The road skirts the lake.(その道は湖のふちを通っている)や He skirted the issue.(彼はその問題を避けて通った)といった使い方がある。「スカートのすそを翻しながら、うまくかわして通り抜ける」そんなイメージを持つと記憶しやすいかもしれない。

覚え方としては、skirt は「スカート」だけじゃなく「端っこ」や「避ける」もあると意識するといい。「スカートの裾をひるがえして、ぎりぎり端を通る」「問題をスカートのようにひらりとかわす」といったイメージを持てば、忘れにくくなるはずだ。

特に、skirt around は日常会話やビジネスシーンでもよく使われる表現で、「(問題や話題を)避けて通る」「遠回しに言う」「うまく回避する」といった意味がある。まさにスカートのすそを翻しながら、ひらりひらりと核心を避けるようなニュアンスだ。

例えば、政治家が記者の厳しい質問に対して、はっきり答えずに別の話にすり替えることがある。これを skirt around the question(質問をはぐらかす)と言う。He skirted around the issue.(彼はその問題をうまく避けた)なんて表現もよく使われる。

もう少し日常的なシチュエーションで考えてみよう。例えば、友人に「私の誕生日プレゼント、何を買ったの?」と聞いたら、He skirted around my question and changed the subject.(彼は私の質問をはぐらかして話題を変えた)というように使える。サプライズを守るために skirt around していたわけだ。

この表現を覚えるコツは、「スカートのすそをひるがえして、ひらひらと核心を避ける」とイメージすること。あるいは、「スカートの周りをぐるぐる回るだけで、中には入らない」と考えてもいい。どちらにせよ、直接ズバッと触れず、遠回しにする感じが伝わってくる。

もし、何かに対してストレートに向き合わずに避ける場面があれば、ぜひ skirt around を思い出してほしい。

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